ギャグ
(少年向け)

いわゆる藤子不二雄のホームグラウンドが、この少年向けのギャグマンガである。 代表作はやはり、『忍者ハットリくん』『怪物くん』だろう。 そして藤子不二雄A作品は、さまざまな傾向の作品に分化していく。 『怪物くん』からは、『黒ベエ』を経て一連のブラックユーモアが、 『フータくん』からは、『狂人軍』などのナンセンス路線が生まれる。 また藤子不二雄A幼年まんがの元祖的作品『ビリ犬』や、 藤子不二雄A生活ギャグで初めてコンプレックスを扱った『仮面太郎』はもっと評価されるべきと思う。

発売中 絶版


サンスケ(さんすけ)
銭湯の息子サンスケが主人公。貧乏なサンスケと、お金持ちのボンボン「わかとの」が繰り広げるドタバタギャグ。 サンスケのやることなすことを、「わかとの」がうらやましがり、お供のハッタリ寛蔵はお金で解決しようとするが、 いつも失敗する。 庶民(=サンスケ)と、お金持ち(=わかとの)という異なる階層の生活習慣、意識の違いをデフォルメしている。 サンスケの名前は、おそらく風呂屋の下男の名称、「三助」からだろう。

初出 S39.10号〜47号
講談社 週刊少年マガジン 連載
単行本 S43.11.30 秋田書店 サンデーコミックス『わかとの』 第1巻
H1.2.17 中央公論社 藤子不二雄ランド『わかとの』 第1巻

わかとの(わかとの)
主人公は、かっぱ頭のボンボン、わかとの。 「サンスケ」のわき役だったわかとのが、その強烈なキャラクターにより人気を得て主役に昇格。 「ウキー」「ムキー」のおとぼけパワーが炸裂! サンスケでは鼻たれの「ばかとの」という感じだったが、主役になったことで、明るく品のいいキャラクターに良くなった。

初出 S40.新年特大号
講談社 別冊少年マガジン『わかとのさま』 読切
S40.2号・11号・15号〜31号
講談社 週刊少年マガジン『わかとの』 連載
S42.8月・11月・S43.1月〜12月
講談社 ぼくら『怪人わかとの』 連載
単行本 S43.11.30 秋田書店 サンデーコミックス『わかとの』 全2巻
S51.10.25 双葉社 パワァコミックス『怪人わかとの』 全1巻
H1.2.17 中央公論社 藤子不二雄ランド『わかとの』 全3巻
H1.5.26 中央公論社 藤子不二雄ランド『怪人わかとの』 全1巻


フータくん(ふーたくん)
主人公のフータくんは、アルバイトをしながら各地を旅行する、タフなフーテン少年。 そして、友達の「テツカブ」「キザオ」「トロオ」を始め、行く先々であう人達は、どこかヘン。 もう普通じゃない。放浪型の不条理ナンセンスギャグ。 人気も高く、一時はアニメ化の話もあったらしい。「百万円貯金編」「日本一周編」「ナンデモ会社編」ほか。 昭和57年に一度『フータくんNOW』として復活している。

初出 S39.16号〜S41.47号
少年画報社 週刊/別冊少年キング 連載
単行本 S43.11.30 朝日ソノラマ サンコミックス『フータくん』 全5巻
S61.8.22 中央公論社 藤子不二雄ランド『マネー・ハンターフータくん』 全7巻
「ナンデモ会社編」は単行本未収録。

フータくんNOW(ふーたくんなう)

初出 S57.1号〜S58.1号
少年画報社 少年KING 連載
単行本 H2.3.9 中央公論社 藤子不二雄ランド『フータくんNOW』 全1巻


ジロキチ(じろきち)
ジロキチと、とぼけているけど頭の切れるカバ夫は、名コンビ。2人は、身近で起こる事件をいつも解決している。 わき役に藤本先生の筆と思われるキャラクターが出ている。 ジロキチの名前は、江戸末期の盗賊、ネズミ小僧『次郎吉(じろきち)』からか?

初出 S40.10月〜S41.4月 集英社 少年ブック 連載/全7話
単行本 未収録


忍者ハットリくん(にんじゃはっとりくん)
伊賀の里からケンイチくんのうちへ修行にやってきたハットリくん。顔は無表情なへの字口だけど、心の中はとても温か。 弟のシンゾウ、宿敵の甲賀忍者ケムマキ、機械忍者ロボ丸、忍者怪獣ジッポウなど愉快なキャラクターが多数登場する。 人気を受けて、東映制作でテレビドラマ化(昭和41年)された。さらにTVアニメ化(S56)。 併せて書かれたリバイバル版で、菊千代、影千代、トゲ次郎などのが新しいキャラクターが登場する。 このTVアニメは人気を博し、ロングランの長期シリーズとなった。アニメ映画化(昭和58年、59年、60年)もされている。

初出 S39.11月号〜S43.2月号
光文社 月刊少年 オリジナル版/連載
S56年〜S63年
小学館 学習雑誌/月刊コロコロコミック/てれびくん リバイバル版/連載
単行本 S43.1.30 秋田書店 サンデーコミックス『忍者ハットリくん』 全3巻
S57.1.25 小学館 てんとう虫コミックス『忍者ハットリくん』 全16巻
S62.2.6 中央公論社 藤子不二雄ランド『新編集 忍者ハットリくん』 全4巻
H1.11.2 中央公論社 藤子不二雄ランド『新 忍者ハットリくん』 全8巻
H8.1.18 中央公論社 中公文庫『忍者ハットリくん』 全2巻
H8.2.18 中央公論社 中公文庫『新 忍者ハットリくん』 全4巻


マスクのXくん(ますくのえっくすくん)
テストでバッテンばかりもらうから、X(エックス)くんというあだ名が付いたクスオくん。 宇宙人からもらった「チエと力のマスク」と、ロボット鳥のQP(キューピー)のおかげで、スーパーマンになって大活躍。 QPにぶら下がって空を飛ぶのはご愛敬。パーマンの原型と言われるが、パーマンのような社会的大事件は登場せず、 いじめっ子をこらしめたり、困っているクラスメートを助ける話が中心である。 ヒロインのような作品の華の存在や、主人公の苦悩など内面を書いた描写はまだない。

初出 S40.4.5日付〜S41.4.25日付 毎日新聞社 毎日小学生新聞 連載/全55話+特別編
単行本 未収録


怪物くん(かいぶつくん)
怪物ランド治める怪物大王の一人息子、怪物太郎がお供のフランケン、狼男、ドラキュラを引き連れて、 人間世界にやってきた。ヒロシと友達になって、悪事を働くモンスターたちをやっつける。 当時人気のあった怪獣やモンスター。彼らが、友達のように日常に登場させたのが、この作品だ。 有名なモンスターが多く登場して、人気を集めた。また、血を見ると気絶するトマトが好きなドラキュラ、 気の弱いフランケンなど、愛敬のあるモンスターの性格付けも魅力だった。 2度、テレビアニメ化(昭和43年、昭和55年)およびアニメ映画化(昭和55年、昭和56年)がされている。

初出 S40.2月〜S44.5月
少年画報社 少年画報 オリジナル版/連載
S42.24号〜S44.19号
少年画報社 週刊少年キング オリジナル版/連載
S55〜S57
小学館 学習雑誌/月刊コロコロコミック/てれびくん リバイバル版/連載
単行本 S43.3.15 少年画報社 キングコミックス『怪物くん』 全10巻
S50.10.10 双葉社 パワァコミックス『新 怪物くん』 全3巻
S55.8.25 小学館 てんとう虫コミックス『怪物くん』 全13巻
S62.6.5 中央公論社 藤子不二雄ランド『新編集 怪物くん』 全21巻
H3.3.20 中央公論社 愛蔵版『怪物くん』 全2巻

新・怪物くん(しんかいぶつくん)
副題『帰ってきた怪物くんとやく病神怪物ドブネズラの巻』

初出 S47.1.23日号
少年画報社 少年キング 読切
単行本 H1.2.3 中央公論社 藤子不二雄ランド『怪物くん』 第21巻


仮面太郎(かめんたろう)
不細工な顔を持つ少年バケ太くん。ある日、彼のクラスにいつも仮面をかぶっている不思議な少年、 仮面太郎が転校してきた・・。 この作品の主人公であるバケ太少年は、コンプレックスを持っている。 そして、最終回では、真の友情というものを体験し、作品は終わる。 同時期の狂人軍などのナンセンス作品の影響かギャグなどはドギツくとっつきにくい。 しかし、のちの『魔太郎がくる!!』などに繋がる人間の内面に一歩踏み込んだ描写は他の作品と一線を画しており、 興味深い作品だ。

初出 S44.8号〜S45.7号
少年画報社 少年画報 連載
単行本 S56.9.10 大都社 スターコミックス 全1巻
H1.12.1 中央公論社 藤子不二雄ランド 全1巻


ビリ犬(びりけん)
空跳ぶイヌ、ケン族のビリケンとガリケンがタツオくんのウチにやってきた。 ちょっとずうずうしい二匹だが、とぼけたところもあって憎めない。この作品の魅力は耳で空を飛べることだろう。 すいすいと空を跳ぶ様は、のびのびとした当時の筆致と相まって、気持ちがいい。 作風は極めて明るく、同時期の他の作品にあるブラックやナンセンスのテイストは薄い。 作風やタツオの年齢を考えると、藤子不二雄A幼年まんがの元祖といえるかもしれない。S63年にテレビアニメ化もされている。

初出 S44.1月〜10月
講談社 ぼくら オリジナル版/連載
S63.7月〜H1.3月
小学館 月刊コロコロコミック リバイバル版/連載
単行本 S63.8.25 小学館 てんとう虫コミックススペシャル 全1巻
H1.8.25 小学館 てんとう虫コミックス 全1巻
H3.1.9 中央公論社 藤子不二雄ランド 全1巻

ビリ犬 なんでも商会(びりけん なんでもしょうかい)
H1年、アニメのテコ入れにともなって連載された。ビリケンとガリケンは、居候代を稼ぐため商売を始める。 しかし同じく耳で空を跳べるケン族の宿敵ニャン族の大使ドン・ニャーン、とその部下トララが何かと邪魔をしてくる。

初出 H1.4月〜10月
小学館 月刊コロコロコミック 連載
単行本 H3.1.9 中央公論社 藤子不二雄ランド『ビリ犬』 全1巻


マボロシ変太夫(まぼろしへんだゆう)
ナンセンステイストの生活ギャグまんが。変太夫(へんだゆう)は、パラソルを持っていて、いつも鼻水をたらしている。 のちのパラソルへんべえの原型らしい。

初出 S46.32号〜S47.12号
少年画報社 週刊少年キング 連載
単行本 S56.11.20 大都社 スターコミックス 全2巻
H1.6.23 中央公論社 藤子不二雄ランド 全2巻


鳥人くーん(ちょうじんくーん)
鳥が大好きな少年トリオくん。部屋も鳥でいっぱい。 いつか鳥のように空を自由に飛んでみたいと思い、九官鳥の黒ベエと空を飛ぶ練習を重ね、 ある日ついに空を飛べるようになり、ペットの鳥たちと力を合わせ、鳥人間のかっぱらい「ハゲタカ魔人」を撃退する。

初出 S47.夏休み増刊号
潮出版社 希望の友 読切
単行本 S53.11.20 潮出版社 希望コミックス『ポコニャン』 上巻
S63.7.25 中央公論社 愛蔵版『ブラックユーモア短編集』 第1巻


オカルト勘平(おかるとかんぺい)
おじいちゃんのうちに遊びに行く途中で、正太くん一家の車にヒッチハイクで乗ってきた謎の少年、オカルト勘平。 彼は魔物払いの修行のため、旅をしているという。その晩、正太くん一家は、 道に迷い魔物が支配する街に泊まってしまい、正太くんは、黒ミサの生けにえにされそうになってしまう・・・。 当時のオカルトブームを反映した作品。怪物くんでは友達だった吸血鬼や怪物たちが、 この作品では、退治するものとして登場する。 前年の昭和48年に公開された悪魔払い師が主人公のオカルト映画『エクソシスト』がモトネタのようだ。 また福原学主演で平成3年に2回テレビシペシャル(実写)化されている。

初出 S49.9.9日号
少年画報社 週刊少年キング 読切
単行本 S63.7.25 中央公論社 愛蔵版『ブラックユーモア短編集』 第1巻


オヤジ坊太郎(おやじぼうたろう)
スキンヘッドにチョビヒゲをはやしたおかしな小学生の坊太郎。 しかし、頭のてっぺんの毛を引っ張ると、髪と背丈がのびて大人に大変身! ホテルに住む大金持ちのプレイボーイとなって生活を楽しむ。 友達の純子ちゃんたちが困ったときは、黙って助けるいいところもある。 大人向けに書かれた『無名くん』の少年版だが、大人になって好き放題やってみたいという子供の願望とうまく重なり、 独自の魅力を放つ作品。

初出 S50.7号〜S51.36号
少年画報社 週刊少年キング 連載
単行本 S50.12.10 大都社 スターコミックス『オヤジ坊太郎』 全2巻
S52.2.10 双葉社 パワァコミックス『新・オヤジ坊太郎』 全4巻
H2.1.12 中央公論社 藤子不二雄ランド『オヤジ坊太郎』 全2巻


制作・協力<すばる

川路 康裕 (Yasuhiro Kawaji) info@ffgallery.com

新規掲載日-1997.10.23- 最終更新日-1998.02.20-

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