道具編

その不思議な道具に人は魅了される。その人智を超えた性能は時に人を惑わし狂わし、使用法を間違えば破滅さえも招く。 藤子・F・不二雄は思っていた、ただただ純粋にこんな道具があったらいいなと。 そしてその道具が今この世に存在した場合の、ふとその道具を手にしてしまった場合の、 使う人使われる人の間に映る人間像をリアルに炙り出した。

発売中 絶版


タイムカメラ(たいむかめら)
河上は半ばやけになっていた。痴情のもつれから理不尽な仕事の命令を受け、彼女との恋愛も終わろうとしていた。 そんな彼がこのカメラを手にしたのは偶然というにはタイミングが良かった。 破格の価格を提示してきた今にも行き倒れそうな人物から、ポケットから出せる金額で購入したのだ。 そのカメラは過去を撮影する事が出来、それを使いこんな事になってしまった真実を知ろうとするのだ。

初出 S56.7.24日号
小学館 ビッグコミック
単行本 S57.8.15 小学館 ゴールデンコミックス「異色短編集」第5巻
S63.5.25 中央公論社 愛蔵版「SF全短篇」第3巻
H元.12.10 小学館 小学館叢書「異色短編集」第3巻
H2.9.3 中央公論社 藤子不二雄ランド「異色SF短篇」第1巻
H7.8.10 小学館 小学館文庫「異色短編集」第3巻
H13.2.20 小学館 「SF短編PERFECT版」第7巻
H16.1.30 小学館 My First Big「藤子・F・不二雄短編集」第8巻

ミニチュア製造カメラ(みにちゅあせいぞうかめら)
仕事は退いたもののこれといった趣味はなかった。 娘に無趣味人間とまで言われた彼は散歩に出かけ、玄関先で空腹に倒れた人物から買ったカメラで町並みを撮影してみた。 それは写した物体のミニチュアを製造するものだった。 彼は夢中になった、しかしある1枚の写真に涙を流す女性が写っていた。 気になった彼は再びその家を撮影し、そこに書きかけの遺書のミニチュアが写しだされたのだ。

初出 S56.9.25日号
小学館 ビッグコミック
単行本 S57.8.15 小学館 ゴールデンコミックス「異色短編集」第5巻
S63.5.25 中央公論社 愛蔵版「SF全短篇」第3巻
H元.12.10 小学館 小学館叢書「異色短編集」第3巻
H2.9.3 中央公論社 藤子不二雄ランド「異色SF短篇」第1巻
H7.8.10 小学館 小学館文庫「異色短編集」第3巻
H13.2.20 小学館 「SF短編PERFECT版」第7巻
H16.1.30 小学館 My First Big「藤子・F・不二雄短編集」第8巻

値ぶみカメラ(ねぶみかめら)
店主の目利きも頼りないつぶれかけの古道具屋の娘の竹子。フリーのカメラマンを目指しているがさっぱり売れるあてもない宇達。 一方、金持ちでハンサム倉金は竹子に夢中。倉金と宇達両方からプロポーズを迫られた彼女は、 店に来た人物が残して行った価値を写しだすというカメラを取り出し二人を写した。 そして二束三文と思われた彼の写真には驚くべき値段が表示されていたのだ。

初出 S56.11.25日号
小学館 ビッグコミック
単行本 S57.8.15 小学館 ゴールデンコミックス「異色短編集」第5巻
S63.5.25 中央公論社 愛蔵版「SF全短篇」第3巻
H元.12.10 小学館 小学館叢書「異色短編集」第3巻
H2.9.3 中央公論社 藤子不二雄ランド「異色SF短篇」第1巻
H7.8.10 小学館 小学館文庫「異色短編集」第4巻
H13.2.20 小学館 「SF短編PERFECT版」第7巻
H16.1.30 小学館 My First Big「藤子・F・不二雄短編集」第8巻

同録スチール(どうろくすちーる)
いつもすれ違う(いやわざとすれ違う)女学生に恋する奥手なな男子学生がいた。 彼は彼の友人の様に気軽に女性を誘う事なんて出来なかった。ある日彼はカメラ売りに会い一台のカメラを受け取る。 それは写像と同時に音声も録音しそれを再生できるものだった。そうこうしてるうちに彼は友人に先を越されてしまう。 しかしその友人が写した彼女の写真から、彼女の本当の気持ちを聴いたのだ。

初出 S56.12.10日号
小学館 ビッグコミック
単行本 S57.8.15 小学館 ゴールデンコミックス「異色短編集」第5巻
S63.5.25 中央公論社 愛蔵版「SF全短篇」第3巻
H元.12.10 小学館 小学館叢書「異色短編集」第3巻
H2.9.3 中央公論社 藤子不二雄ランド「異色SF短篇」第1巻
H7.8.10 小学館 小学館文庫「異色短編集」第4巻
H13.2.20 小学館 「SF短編PERFECT版」第7巻
H16.1.30 小学館 My First Big「藤子・F・不二雄短編集」第8巻

夢カメラ(ゆめかめら)
笑い出してしまう夢やうなされる夢、いつもどんな夢を見ていたか思い出せなかった。 今日も妻に夢から起された真夜中に、男は自分の家の暗がりにいたカメラ売りに売値100万円のカメラを無理矢理手渡される。 そのカメラは夢を写し、自分が見た夢を知ることが出来たのだ。しかし夢を写した事を知らない妻に写真を見られ、 男はその場を取り繕う為にカメラを購入する羽目になる。

初出 S57.3.25日号
小学館 ビッグコミック
単行本 S57.8.15 小学館 ゴールデンコミックス「異色短編集」第5巻
S63.5.25 中央公論社 愛蔵版「SF全短篇」第3巻
H元.12.10 小学館 小学館叢書「異色短編集」第3巻
H2.9.3 中央公論社 藤子不二雄ランド「異色SF短篇」第1巻
H7.8.10 小学館 小学館文庫「異色短編集」第4巻
H13.2.20 小学館 「SF短編PERFECT版」第7巻
H16.1.30 小学館 My First Big「藤子・F・不二雄短編集」第8巻

コラージュカメラ(こらーじゅかめら)
ブラッキード事件の追及は金と権力にものを言わされもう潰えたに等しかったが、 仕事に行き詰まったのが逆に彼に子供を気遣う機会を与えた。 息子はジオラマ撮影に夢中になっていた。そこに撮影にうってつけのカメラを売りつける人物がやって来たのだ。 ところがあまりの高額さに彼は購入を断る。 しかsそのカメラとはまさに事件の決定的な証拠を作り出す事が出来るものだったのだ。

初出 S57.6.10日号
小学館 ビッグコミック
単行本 S62.5.20 小学館 ゴールデンコミックス「異色短編集」第6巻
S63.5.25 中央公論社 愛蔵版「SF全短篇」第3巻
H元.12.10 小学館 小学館叢書「異色短編集」第3巻
H2.9.3 中央公論社 藤子不二雄ランド「異色SF短篇」第1巻
H7.8.10 小学館 小学館文庫「異色短編集」第4巻
H13.2.20 小学館 「SF短編PERFECT版」第7巻
H16.1.30 小学館 My First Big「藤子・F・不二雄短編集」第8巻

懐古の客(かいこのきゃく)
ある日突然、古き良き時代ツアーで未来から来て、カメラのセールスマンだと名乗る人物が自分の部屋に来て居座った。 そしてこのオンボロアパートの原始生活ぶりに昼夜問わず感動が止まらないようだった。 しかし命に関わるほどの重病で病院に運ばれてしまう。現代の病気にあまりにも免疫がなかった為だ。 そして彼は旅行ツアーにも戻れず、この未開の過去の地に放り出されてしまったのだ。

初出 S57.8.10日号
小学館 ビッグコミック
単行本 S62.5.20 小学館 ゴールデンコミックス「異色短編集」第6巻
S63.5.25 中央公論社 愛蔵版「SF全短篇」第3巻
H元.12.10 小学館 小学館叢書「異色短編集」第3巻
H2.9.3 中央公論社 藤子不二雄ランド「異色SF短篇」第1巻
H7.8.10 小学館 小学館文庫「異色短編集」第4巻
H13.3.20 小学館 「SF短編PERFECT版」第8巻
H16.1.30 小学館 My First Big「藤子・F・不二雄短編集」第8巻

四海鏡(しかいきょう)
紅子は疑われていた。愛人という立場であったが浮気をしている。そう社長まで登りつめた男のカンが働いていた。 女はいくらでもいる。しかしこけにされるのが許せない。そんな時、地球の裏側をも写すカメラの売り込みの手紙が届いた。 同じように真相を知りたい金持ち達が手紙を受け取り手紙の指定する場所へと集まって来た。 そしてそこで奪い合いの高額オークションが始まる予定だったのだが。

初出 S57.10.10日号
小学館 ビッグコミック
単行本 S62.5.20 小学館 ゴールデンコミックス「異色短編集」第6巻
S63.5.25 中央公論社 愛蔵版「SF全短篇」第3巻
H元.12.10 小学館 小学館叢書「異色短編集」第3巻
H2.9.3 中央公論社 藤子不二雄ランド「異色SF短篇」第1巻
H7.8.10 小学館 小学館文庫「異色短編集」第4巻
H13.3.20 小学館 「SF短編PERFECT版」第8巻
H16.1.30 小学館 My First Big「藤子・F・不二雄短編集」第8巻

丑の刻禍冥羅(うしのこくかめら)
呪いを具現化するカメラ。人物が写しだされた印画紙に丑満時に行われた行為はすぐさま現実となる。 針山はそんな恐ろしいカメラを受け取ってしまった。もちろん使用はためらった。 しかし堂力の学生時代からに及ぶ今までの行為が許せず、ついにヤツの写真に釘を打ち付けたのだ。 ところがその現場を堂力に見つかってしまう。そしてカメラと針山の写真を持ってヤツは高笑いと共に出て行った。

初出 S58.3.25日号
小学館 ビッグコミック
単行本 S62.5.20 小学館 ゴールデンコミックス「異色短編集」第6巻
S63.5.25 中央公論社 愛蔵版「SF全短篇」第3巻
H元.12.10 小学館 小学館叢書「異色短編集」第3巻
H2.9.3 中央公論社 藤子不二雄ランド「異色SF短篇」第1巻
H7.8.10 小学館 小学館文庫「異色短編集」第4巻
H13.3.20 小学館 「SF短編PERFECT版」第8巻
H16.1.30 小学館 My First Big「藤子・F・不二雄短編集」第8巻

求む!求める人(もとむもとめるひと)
オジンのくせにやらしい、26歳でさっぱり売り上げの上がらないセールスマンの彼はそう言われたりもした。 ニーズを予感する事が全く出来ず、ガールフレンドも縁遠く百科事典はいっこうに売れなかった。 しかしそこに彼のニーズを捉えて彼がまさに求めてるものを売りに来たセールスマンがいた。「需要探知機」。 潜在的な需要をも引き出すこの機械によって彼の運命は一変したのだ。

初出 S57.1.2日号
双葉社 漫画アクション増刊
単行本 S62.11.28 双葉社 アクションコミックス「SF★シアター」
S63.5.25 中央公論社 愛蔵版「SF全短篇」第3巻
H6.10.18 中央公論社 中公文庫「SF短篇集」第4巻
H13.2.20 小学館 「SF短編PERFECT版」第7巻
H16.2.27 小学館 My First Big「藤子・F・不二雄短編集」第10巻

倍速(ばいそく)
倉札は運動会でも飯食うのでもいつもビリ、力が無いわけでもないのにケンカが弱く、チームの足を引っ張るので団体競技もダメ、 会話も話そうとした時には別の会話に。そんな比類なき鈍い彼が、発明者でも直せない壊れた大発明とやらを直してしまった。 それから彼は世界一のスピードを手に入れ、誰の邪魔もさせないまま一気に駆け抜けた。 そして余計な事までハイスピードが発揮されたのだ。

初出 S57.6.5日号
双葉社 漫画アクション増刊
単行本 S62.11.28 双葉社 アクションコミックス「SF★シアター」
S63.5.25 中央公論社 愛蔵版「SF全短篇」第3巻
H6.9.18 中央公論社 中公文庫「SF短篇集」第2巻
H13.2.20 小学館 「SF短編PERFECT版」第7巻
H16.5.28 小学館 My First Big「藤子・F・不二雄短編集」第13巻

川路 康裕 (Yasuhiro Kawaji) info@ffgallery.com

新規掲載日-2005.11.06- 最終更新日-2005.11.06-

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