『黒ベエ』は藤子不二雄Aブラック漫画の出発点と言える作品だ。
少年キングという少年誌に書かれているが、とても少年向けとは言えない話も多く混沌とした作品だった。
しかしそのテーマは大人向けのブラック短編を生み大きく開花する。
その後、その大人向けのブラック短編で熟成された人間の内面を描くというテーマを再び少年漫画に持ち込んだ作品が
『魔太郎がくる!!』である。
藤子不二雄Aの挑戦的なブラックユーモア界への進出は大人向け漫画にとどまとる思われたが、
少年漫画へもその意欲をむき出しのまま登場した藤子ブラックユーモアは、
そこでもホームコメディとしての一面は失わずオカルト的な部分も取り入れながら独特な世界を形成して行く。
そして、ある意味とっつきにくいとも言われながら多くのファンを勝ち取る事になる。
■黒ベエ
ハゲワシの「ハゲベエ」を頭に乗せて、闇の中からやってきた謎の影男「黒ベエ」。
これはその黒ベエを狂言回しとした人間の悲喜劇を描いた作品である。
怪物くんに出てくる怪物は怖かった。しかし実はそれは風貌だけだ。
性格は優しかったりおっとりしていてむしろ親しみがもてた。
ところがこの漫画は、人間の心の奥底に潜む恐ろしさ醜さがするどく描かれ、
本当に怖く恐ろしさを味あわされる作品だった。
| 初出 |
S44.28号〜S45.16号 |
少年画報社 |
週刊少年キング |
連載 |
| 単行本 |
S45.11.19 |
朝日ソノラマ |
サンコミックス |
全3巻 |
| S62.3.27 |
中央公論社 |
藤子不二雄ランド |
全3巻 |
■魔太郎がくる!!
「このうらみはらさでおくべきか!!」で一世を風靡した異色漫画。
いじめられっ子、「浦見魔太郎」が恨み念法でいじめた相手に恨みを晴らす。
日ごろ、恨みをこらえることしかできなかったいじめらっ子たちの心を掴み人気を博した。
途中から魔太郎にも天敵が登場する。隣りにすむミニ魔太郎ともいえる赤ん坊「切人」だ。
こいつには魔太郎も手が出せない。いつもは復讐する側の魔太郎も立場が逆転して、
「ウラミハラサデオクベキカ!!」と逆に復讐されてしまうのだ。
| 初出 |
S47.30号〜S50.48号 |
秋田書店 |
週刊少年チャンピオン |
連載 |
| 単行本 |
S48.5.10 |
秋田書店 |
少年チャンピオンコミックス |
全13巻 |
| S62.6.26 |
中央公論社 |
藤子不二雄ランド |
全14巻 |
| H9.4.18 |
中央公論社 |
中公文庫 |
全8巻 |
■魔太郎が翔ぶ
青年になった『魔太郎』が登場し、恨み念法で悪事を働く悪者をやっつける。
| 初出 |
S56.13〜14号 |
講談社 |
ヤングマガジン |
読切/全2話 |
| 単行本 |
S63.12.25 |
中央公論社 |
愛蔵版『ブラックユーモア短編集』 |
第2巻 |
■ブラック商会変奇郎
祖父が経営する奇妙な骨董屋「変奇堂」の跡取り息子、「変奇郎」。
普段は普通の少年だが、マスクを付けると魔術や呪術を使って悪人をこらしめる。
当時のオカルトブームを反映した作品。
「猿の毛の楽器」「手の紙ばさみ」など、
オカルトティストたっぷりの藤子不二雄Aの変コレクションがふんだんに登場する。
変奇郎のマスクもかっこいい。
平成6年の文庫版で、『シャドウ商会変奇郎』と改題されている。
| 初出 |
S51.21号〜S52.32号 |
秋田書店 |
週刊少年チャンピオン |
連載 |
| 単行本 |
S51.10.25 |
秋田書店 |
少年チャンピオンコミックス |
全5巻 |
| S63.8.26 |
中央公論社 |
藤子不二雄ランド |
全6巻 |
| H6.11.30 |
秋田書店 |
秋田文庫『シャドウ商会変奇郎』 |
全3巻 |
制作-川路康裕-
制作協力-すばる-
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