少年まんがのうちでも幼稚園から小学校低学年向きの作品をあえて幼年向けとして区別したい。 ブラックなテイストは薄く非常に優しい視点で書かれており、藤子不二雄Aの守備範囲の広さを見せつけられる。 また、明るいイメージのカラー原稿は配色が鮮やかで一見の価値がある。

■ビリ犬
少年向け「ビリ犬」と違って全く幼年向けなタッチで描かれた作品。 毎号3頁と短いが全て4色カラーで構成されており短いながらも凝縮された分かりやすい内容になっている。 「ビリ犬」と「たつおくん」の楽しく不思議な世界が伝わってくる。
初出 S44.1月号〜12月号 講談社 たのしい幼稚園 連載/全12話
単行本 未収録

■かっぱのカッポ
うち気なテッちゃんとカッポの友情物語。
ある雨の日、水たまりから突然飛び出したかっぱのカッポは、外で遊ぶのが苦手で友達のなかなか出来なかったテッちゃんの友達になった。 カッポはちょっぴりドジでおっちょこちょいだけどどこか憎めなく、テッちゃんもやがて心を開き外でみんなと遊ぶようになる。 ユーモラスで人間味溢れる幼年・少年向けギャグ漫画。
劇団カッパの カッパ友の会「カッパしんぶん」に第1号から連載された。
初出 S47.4.8日号〜S49.2.5日号 劇団カッパ (月刊)カッパしんぶん 連載/全21話
単行本 未収録

■忍者ハットリくん
少年漫画の代表作に位置する「忍者ハットリくん」にも幼年版が存在する。 「ハットリくん」達がくりだす様々な忍法が4色カラーで鮮やかに決まる。 1回4頁という短さだが、それにもかかわらず面白さに加えて夢のある作品に仕上がっている。
初出 S57.4月号〜S59.5月号 小学館 小学一年生 連載/全26話
単行本 未収録

■ウルトラB
宇宙から「ミチオ」のうちにやってきた不思議な力を持つ赤ちゃんウルトラB。 いつもはベビーベットで寝ているかわいい赤ちゃんだが、「ミチオ」が困ったときは超能力で大活躍するスーパーベビー。 ベビー・スーパーマンだから、スーパー「マン」ならぬウルトラ「ベビー」(ウルトラB)という訳だ。 人間として最も非力な存在であるはずの赤ちゃんが、究極の超人であるというギャップが面白い。 昭和62年にテレビアニメ化、昭和63年に劇場アニメ化されている。また原型となった『元祖ウルトラB』がある。
初出 S59.6.1〜H1.9.1 中央公論社 藤子不二雄ランド 連載/全128話
単行本 S59.8.31 中央公論社 F.F.ランド・スペシャル 全11巻
S63.2.26 中央公論社 F.F.ランド・スペシャル 『長編ウルトラB』 全1巻
■元祖ウルトラB(がんそうるとらびー)−「ウルトラB そのとき三発!」改題
ウルトラBの原点。新しいウルトラBとは違い、ちょっと憎たらしい顔つき。 しかし大人顔負けのパワーを発揮するところは変わらない。
初出 S40.8.15 講談社 週刊少年マガジン 読切
単行本 S60.4.26 中央公論社 藤子不二雄ランド『まんが道』 第11巻
S60.5.31 中央公論社 F.F.ランド・スペシャル 『ウルトラB』 第4巻

■パラソルへんべえ
NHKの帯アニメ用の企画として作られ、テレビ放送と同時に連載された。 パラソルワールドから、「メゲル」のうちにやってきた不思議な生き物「へんべえ」。 パラソルを使った不思議な力で大活躍。パラソルワールドや随所に使われるレインボーのイメージが美しい。 藤子不二雄Aの幻想的なイマジネーションの世界を堪能できる。
尚、「パラソルへんべえ」の原作ともなった昭和46年から連載された「マボロシ変太夫」という作品がある。
初出 H1.10月号〜H3.1月号 講談社 月刊ヒーローマガジン 連載
単行本 H3.5.9 講談社 ボンボンコミックス 全2巻

■プリンスデモキン
「アシャクリパリタンキナパイポー!!」。
いじめられっ子、泣き虫、なまけんぼ、悩める小学生たちを、お付きのネコ「バットラー」を従えて、 次々と助けていくのは、悪魔の王子「プリンス・デモキン」! 怪物くんのキャラクターだったデモキンを一本立ちさせた作品。 悩める小学生を救うというのは小学生版『笑ゥせぇるすまん』といえないだろうか。 昨今のストレスに苦しむ小学生の増加という風潮を考えると実にタイムリーだ。 デモキンを待っている小学生は多いかもしれない。
尚、途中から小学生中高学年だけを担当している。
初出 H3.4月号〜連載中 学習研究社 月刊トップラーン 連載
単行本 H5.2.20 学習研究社 GSコミックス 現在全2巻

制作-川路康裕-
制作協力-すばる-
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