サンスケ(昭和38年)、わかとの(昭和39年)、フータくん(昭和39年)、怪物くん(昭和40年)を経て生まれたと思われる不条理マンガをナンセンス作品とした。
不条理マンガを始めたのはおそらく当時大ヒットをはなっていた盟友、赤塚不二夫の影響だろうか。
作品数は決して多くない。しかし、すでに不条理のテイストは藤子不二雄Aテイストになくてはならない味となっているように感じる。
ここではブラック短編に含まれていない作品を紹介する。
黒ィせえるすまん(昭和44年ビックコミック・短編)と同じ年に発表された『狂人軍』は、
ブラック短編のテイストも強い。同年少年ジャンプに、『変コレクションシリーズ』、
また、昭和46年の『マボロシ変太夫』にも不条理ギャグが入っている。
昭和48年には、赤塚不二夫編集による「まんがNo.1」誌に『大〜シリーズ』を掲載している。
■マンガ株式会社
マンガ株式会社の重役、『シン』ちゃん、『正』ちゃん、『コン太』、『ミチオ』、『カン平』の5人は、みんな立派な売れっこ漫画家だ。
でもみんな重役秘書の川井イイ子ちゃんにしかられてばかり。
アニメ会社スタジオゼロの体験を基にした漫画株式会社の一日を描いた作品。
有名な、誰も社長に成りたがらずくじ引きで決めたことが、この漫画では磔(はりつけ)ルーレットで決めるというネタになるなど、
スタジオゼロでのエピソードがうまく料理され全体によくできた楽しい作品になっている。
| 初出 |
S43.8.27日号 |
集英社 |
週刊少年サンデー増刊 |
読切/22頁 |
| 単行本 |
S52.8.10 |
広済堂 |
『二人で一人の漫画ランド』 |
全1巻 |
■世界名作全集 マンガ株式会社
「少年画報」休刊号掲載。週刊少年サンデー増刊に掲載された「マンガ株式会社」のパワーアップ版。100ページの超大作読み切り。
前作は、マンガ株式会社の日常のナンセンスなテイストでの紹介が主軸だったが、
今回は地のマンガと作中マンガのセッションに力点がおかれており、実験マンガの様相を呈している。
前作は作中マンガを藤子不二雄Aご自身でかかれていたが、
今回はアシスタントほかや北見健一、神保史郎、浅井まさのぶ、小山田つとむ、鳴神俊など作中漫画を執筆。
それが功を奏して、様々な作風がぶつかりあいが楽しい、非常にエネルギーあふれる作品となっている。
| 初出 |
S46.6.8日号 |
少年画報社 |
少年画報 |
読切/100頁 |
| 単行本 |
未収録 |
■狂人軍
前半は狂楽園球場に迷い込む『丸目蔵人』を主人公にした不条理ナンセンス漫画だが、
後半に行くに従い『キチ吉』が主人公のノーマルな生活ギャグになっていく。
狂人軍のタイトルは、いわずとしれた連載当時の人気野球チーム、巨人軍から。
タイトルの「狂」だけでなく、狂人軍の敵の名前に「凶人軍」など発禁用語が連発されており、
一般での出版はまず不可能だろう。
| 初出 |
S44.9.3日号〜S45.3.18日号 |
秋田書店 |
(週刊)少年チャンピオン |
連載/全14話 |
| 単行本 |
未収録 |
■刑事ネコロンボ
「東西まんがトーナメント」という競作特集の一遍として書かれた。
いつどこでも、ネコロべるようマクラを持ち歩き、そのクツはバス代をけちって口が開き、
目つきはキョロキョロしてるため悪く、長く持たせるため、葉巻きに火をつけない男。
何を隠そう彼こそ、我らが刑事、ネコロンボ。敏腕刑事を気取っているが、果たしてその実力は?
あやしい男を見つけ、心の準備をして顔を見ると想像以上のすごい形相で、一目散に逃げ出してしまう。
さらに、逃げる途中でヘソ切り魔に襲われる。そこに駆け付けたのはさっきの怪しい男だった。
かれは特別捜査班の灰土刑事だったのである。アア、ふがいなきネコロンボ!
| 初出 |
S50.5.25日号 |
少年画報社 |
少年キング増刊『KINGオリジナル』 |
読切/5頁 |
| 単行本 |
未収録 |
制作-川路康裕-
制作協力-すばる-
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