昭和62年2月20日から昭和63年5月25日まで刊行。全3巻。A5判。
中央公論社から出版。現在絶版している。
これぞ藤子SF短編の集大成というぺき重量感のある3冊。
それはただ厚くて重いという事ではない。その内容の厚さと重さにまず驚く。
SFと言うと現実とかけ離れていると思いがちだが、現実に起こり得る、
または、近い未来にかならず起こるだろうと確信させられる。
読み出すとその世界に引き込まれ、それが漫画であったことを忘れてしまう様だ。
■SF全短篇 第1巻 カンビュセスの籤
紀元前5百年の昔、カンビュセス王は、エチオピアに5万の軍勢を発した。
しかし、途中食料が尽き兵士は互いに”籤”を引き、引き当てた者を食べながら進んだという。
籤を当ててしまったサルクは、食べられまいと必死で逃げたが、
いつのまにか終末戦争後の荒れ果てた未来に迷い込んでしまう。
そこでサルクは、人類存続の為、また籤を引く事になる。
「どことなくなんとなく」「サンプルAとB」「超兵器ガ壱號」
「ノスタル爺」「神さまごっこ」「ヒョンヒョロ」「3万3千平米」
「いけにえ」「ミノタウロスの皿」「カンビュセスの籤」「旅人還る」
「オヤジ・ロック」「俺と俺と俺」「テレパ椎」「換身」「メフィスト惨歌」
「わが子・スーパーマン」「分岐点」「ウルトラ・スーパー・デラックスマン」
「気楽に殺ろうよ」「ぼくの悪行」「ミラクルマン」「休日のガンマン」
「権敷無妾付き」「劇画・オバQ」「自分会議」「老雄大いに語る」
「イヤなイヤなイヤな奴」「やすらぎの館」「コロリころげた木の根っ子」
「光陰」「じじぬき」「定年退食」「間引き」「箱船はいっぱい」収録
■SF全短篇 第2巻 みどりの守り神
飛行機の墜落にもかかわらず1命を取り留めた2人。
必死で山を降り街にでたが、そこは細菌により死滅した数百年後の街だった。
全ての動物の絶滅的状況に落胆し、自殺を計るが植物によって助けられる。
動物の絶滅が自らの死を招く植物達は進化し、わずかな生き残りの動物達を守る力を手に入れたのだ。
「創世日記」「マイロボット」「影男」「世界名作童話」「四畳半SL旅行」
「おれ、夕子」「ポストの中の明日」「流血鬼」「宇宙からのおとし玉」
「宇宙人」「ひとりぼっちの宇宙戦争」「宇宙船製造法」「絶滅の島」
「ニューイヤー星調査行」「恋人製造法」「老年期の終わり」
「うちの石炭紀」「ぼくは神様」「ユメカゲロウ」「コマーさる」
「街がいた!!」「考える足」「耳太郎」「山寺グラフィティ」
「アン子 大いに怒る」「みどりの守り神」収録
■SF全短篇 第3巻 征地球論
地球征服をたくらむ宇宙人。地球を征服するか否かの議論がされるが、
地球人の歴史・行動・考え方などを調査・検討すればする程地球人が不可解で、
破滅の道をたどっているのか、興隆の道をたどっているのか解らず、
議論の結論が出ない。
宇宙人という第3者を見立てて人類を新たな角度から分析する。
「征地球論」「侵略者」「求む! 求める人」「マイ・シェルター」
「ドジ田ドジ郎の幸運」「なくな! ゆうれい」「福きたる」「幸運児」
「懐古の客」「タイムカメラ」「値ぶみカメラ」「丑の刻禍冥羅」
「夢カメラ」「コラージュ・カメラ」「四海鏡」「ミニチュア製造カメラ」「同録スチール」
「中年スーパーマン左江内氏(全14話)」「有名人販売株式会社」「倍速」「未来ドロボウ」「裏町裏通り名画館」
「殺され屋」「女には売るものがある」「並平家の一日」「かわい子くん」「大予言」「鉄人をひろったよ」「ある日」
「昨日のオレは今日の敵」「あのバカは荒野をめざす」「パラレル同窓会」「ふたりぼっち」「親子とりかえばや」
「クレオパトラだぞ」「あいつのタイムマシン」「T・Mは絶対に」「タイムマシンを作ろう」
「マイホーム」「白亜荘二泊三日」「一千年後の再会」収録
制作<川路康裕>
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